2008年7月25日金曜日

大阪から感想文が送られてきました

みなさんへ

徐々に私たちの本に関する感想が送られてきています。
大阪のSNさんのメールを転送いたします。

崔 勝久

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崔勝久様


 メールをお送りくださりありがとうございます。メールを見たのが昨日の昼でしたが、そのまま勤務に向かって、帰ってきたのが今日の昼でしたので、ご返事が遅れてしまい大変失礼しました。また本も送っていただき、ありがとうございます。火曜日に受け取りました。まだパラパラと8 2くって見ただけですが、これからじっくりと読ませていただきたいと思っております。感想などは、その節に、送らせていただきたいと思っております。帯とあとがきだけ少し読ませていただきました。


本全体を読まずに感想でもないのですが、「共生」という言葉が使われ出してもう20年を超えるでしょうか? 帯に書かれているように、「多文化共生」とは、「原理的にマイノリティのナショナリズムを肯定するものでありながら、マジョリティのナショナリズムとも融和的」というご指摘は、Bく言い当てているのではと感じます。「共生」と言えば、とりあえずは誰も反対しない言葉ですが、それを可能とする前提には、異なる文化(あるいは民族や価値観や宗教など)が形式的にも実体的にも平等あるいは同等の権利や立場を持っていることが、最低限必要ではないでしょうか。差別―被差別、抑圧―被抑圧の関係を解決することなしに「共生」を唱えることは、あたかもマイノリティの存在を認めるかのように装いながら、結局の所、マジョリティ・多数者・権力を持つものへの融和をしか8 2たらさないと思います。


崔さんは、新自由主義・格差社会から「共生」を捉え直す視点で見直そうとされておられるようですが、これは大変重要な視点と思っております。新自由主義の下で、規制緩和、民営化、市場原理にゆだねた「自由競争」は、誰がどう言おうと、弱肉強食を是とする価値観であり、それに「破れた」者は「自己責任」の名の下に投げ捨てられる以外にありません。「格差を是とする」価値観は、「差別を是とする」価値観です。格差社会の拡大とは差別社会の拡大です。こ=E 3で言う差別とは、民族に限らずあらゆる差別です。「共生」とは、それを覆い隠す「イチジクの葉」の役割ではないでしょうか。


新聞報道ですでにご承知かと思いますが、自民党外国人人材交流推進議員連盟が中心となって、今年の秋の臨時国会に、政府・自民党・公明党によって、1000万人の「移民受入法案」の提出が準備されています。もちろん、紆余曲折はあるでしょうが、この中心に座っているのが、中川秀直前幹事長と、かの坂中英徳です。こうした動きも、「多文化共生」「多B 0族共生」のかけ声の下に進められていくのではと思います。


とりあえず、本全体を読む前に、少し感じたことを述べさせていただきました。じっくり読ませていただき、あらためて感想を送らせていただきます。


その上で私は、差別・抑圧・排外の具体的現実に真正面から向き合って、それと闘って打ち破っていくことが、やはり何よりも一貫して中心のテーマではないかと思っております。関西では、微力ながら、そう考え、これまでも、そしてこれからも、闘いを作っていこうと思3ております。そのあたりのことは、関西交流会ニュースをお読みいただければと思います。


また、あらためて感想を送らせていただきます。また、出版記念会の詳細な模様をお知らせ下さりありがとうございました。夏本番でうだるような暑さが続きますが、くれぐれもお体をご自愛ください。

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