2009年6月9日火曜日

日本学術会議事務局からの最終回答

日本学術会議事務局からの最終回答


これまで10通にわたるメールのやりとりで、外国籍研究者に対する日本学術会議事務局の現在の考え方と、今後の方針についてのほぼ全容がわかりました。

基本的な考え方は、以下の通りです。

1.「会員は国家意思の形成への参画に携わる国家公務員であるため、公務員は日本国籍者に限るとする政府の「当然の法理」の考え方に従い、日本国籍が必要である」。

2.「在日外国人研究者に外国人会員すなわち会友などという名称で学術会議の会議等に参加していただくことを検討するための委員会の開催の準備」をしている。

3.委員会で審議した内容を幹事会が審議し、承認された内容を会員の総会で審議し承認が得られれば、日本学術会議の最終意思決定となり、内閣が承諾をする。

4.「国籍要件についても、少なからず議論の対象にはなる」。



「学術会議では、在日外国人研究者の学術会議への参加を検討するために、「外国人会友(仮称)制度検討委員会」という委員会を設置する、ということが幹事会で承認されております」とありますが、「外国人会友」というカテゴリーを前提にして委員会で審議される可能性が高く、幹事会及び総会でそれを覆し、研究者の国籍を問わない、即ち、国家公務員であっても日本学術会議会員・連携会員として認めるようになるのかどうかは、最終的には会員・連携会員の見識によるということになります。しかしそれでも最終的には内閣の承諾によるので、私は楽観は許されないように思います。さて、どうなりますことやら。


崔 勝久


以下のメールは事務局からの4.5回目の回答です。1-3回の回答については、ブログを参照ください。http://anti-kyosei.blogspot.com/2009/05/blog-post_7770.html



―――――――――――――――――――――

日本学術会議事務局 企画課        6月7日
坂本、兼平さんへ


過日、以下の御回答をいただきありがとうございました。

「日本在住の外国人研究者にも学術会議の委員会等に参加していただくようにした方がよいという意見が会員の中からも出ているので、在日外国人研究者に外国人会員すなわち会友などという名称で学術会議の会議等に参加していただくことを検討するための委員会の開催の準備をしております。」



在日外国人研究者に、「外国人会員すなわち会友」などの名称での学術会議参加を検討する委員会開催の準備をされていると理解いたしました。 前向きな姿勢で対応されようとなさっていらっしゃることに敬意を表します。

質問がございます。


1.学術会議として外国人研究者をどのように遇するのかの最終意思決定はどのような手順を踏むのでしょうか。委員会で検討した案を事務局が内閣に提案し、承諾を得るということになるのでしょうか。その場合、委員のメンバー選出は事務局がするのでしょうか、あるいは公募という形をとるのでしょうか。前者の場合の選定基準は何でしょうか。


2.或いは事務局が委員会の結論を各会員に提示し意見を求めるのでしょうか。その場合は、会員間での議論の上、多数決で学術会議の意思決定ということになるのでしょうか。


3.学術会議会長が任命する連携会員の場合には、どのような手順を踏まれるのでしょうか。2と同じ手続きを経るのでしょうか。


4.学術会議の決定は世界が注目することと思われます。会員及び連携会員が国家公務員であり、政府への答申・助言をすることが「公の意思形成」にあたり、「当然の法理」という内閣の見解によって日本人に限るという考え方が学術会議の実態にそぐわず、国籍条項撤廃をするべきという意見が会員にあるものと思われます。その点に関する委員会、会員・連携会員間での議論は保証されるのでしょうか。


よろしくご回答をお願いいたします。

崔 勝久


----------------------------------------------

崔 勝久様                 6月8日(4回目の回答)


お世話になっております。日本学術会議事務局です。お返事が遅くなって申し訳ありません。お問い合せの件についてお答えいたします。


先日、お知らせしましたとおり、学術会議では、在日外国人研究者の学術会議への参加を検討するために、「外国人会友(仮称)制度検討委員会」という委員会を設置する、ということが幹事会で承認されております。

その委員会の委員については、設置要綱により、学術会議会長と副会長(3名)、及び各部の役員からそれぞれ1名の、合計7名で構成されております。各部の役員から選ばれた委員は、役員間の話し合いにより決定された人になります。
この委員会で、外国人会友(仮称)制度に関する事項を審議することになります。

この委員会で何度か審議を行い、決定した事項については、幹事会というものに提示し、幹事会メンバーで審議し、幹事会の承認を得ることになります。

幹事会で承認された事項については、年2回開催されるすべての学術会議会員が出席する総会というものに議案として提示して審議し、そこで会員の承認が得られたら、学術会議の最終意思決定をすることになります。このような手続きで進むことになります。

よろしくお願いいたします。

日本学術会議事務局 企画課

-----------------------------------------------


日本学術会議事務局 企画課        6月8日

坂本、兼平さんへ



折り返しのご返事ありがとうございます。御回答の趣旨はよくわかりました。
御丁寧なご返事、ありがたく拝受いたしました。最後の質問をさせてください。

1.「すべての学術会議会員が出席する総会」とは連携会員を含めてのはなしでしょうか。

2.「外国人会友(仮称)制度検討委員会」で検討される内容は、国籍条項を前提にしたうえで、外国人研究者のための特別会員という内容であるように思えるのですが、国籍条項の撤廃を含めての議論は保障されるのでしょうか。



崔 勝久


-----------------------------------------------

崔 勝久様                6月9日(5回目の回答)



お世話になっております。日本学術会議事務局です。

ご質問についてお答えします。


1 総会を構成するのは会員(210名)だけで、連携会員は総会の構成員にはなっておりません。

2 具体的にどのような内容を審議するかはまだ決まっていないので何とも言えないのですが、外国人研究者の方に学術会議に参加していただくにはどのようにすればよい のか、ということが審議の中心になると思われますので、国籍要件についても、少なからず議論の対象にはなると考えられます。


よろしくお願いいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿