2011年3月24日木曜日

福島原発の実態と、そ​れが食物汚染につなが​っていることの意味に​ついてー広瀬隆の講演​から

広河隆一はチェルノブイリの原発事故の実態を現地で追い、子供の甲状腺癌がどのように進行してきたのかをずっと追ってきたジャーナリストです。彼は福島に赴き、原発施設から20キロ、30キロ離れたところで、実際に放射線測定機器が「振りきられる」(測定不能)になっていることを会場で明らかにしました。(http://www.ustream.tv/recorded/13509353#utm_campaign=twitter.com&utm_source=13509353&utm_medium=social)

広瀬隆はTwitterでも悪魔のように憎まれている人物で、私が彼の講演の内容を情報発信したところ、こっぴどく批難されました。彼のこれまでの著作で問題と思ったことはありましたが(ロスチャイルドに関して)、原発事故の解説については納得することが多かったので是非、多くの人に観てほしいと思います。

広瀬隆はまず、今回の地震がマグネチュード9に変更されたことを取り上げます。M8.3の発表から変更されたのですが、これは今回だけこれまでと違う物差し(基準)で計算されたものであること、津波の大きさが史上最高であったというのも嘘で、日本でも過去にその規模のものはあったことを明らかにします。揺れの規模も同じだそうです。どうしてそれなのにそのような大規模な地震だと強調するかは、「想定外」ということで、東電の責任逃れ(政府も同調)というのが彼の判断です。

1時間半の長い講演なので、彼が広範囲に話したことの全ての要約はできないのですが、私がそうかと思った点だけを紹介します。

ひとつは、福島原発の事故の実態は、広瀬隆と政府やTVで解説者とでは、事故について完全に評価が違うという点です。枝野はしきりに放射線の量について、また汚染された野菜・牛乳・水などが身体に及ぼす影響は「直ちに」危険ではないと繰り返し説明します。しかし広瀬は、それは完全に嘘だと断定するのです。

アメリカの福島原子炉を設計した人物や、研究機関、CNN等のマスコミが公にしたことを取り上げ、海外での評価を紹介します。彼は、結論的には早急にセメントで原始炉を固め放射線物質が出ない、「石棺」にする手配を取るべきであり、熱を帯びる使用済み核燃料を冷ますためには電源をいれ常時水に浸す体制を作らないことには、上から水を浴びせるようなことでは解決できない(もし幸運にもそれが成功すれば、自分の予想がはずれればうれしいことだと言いながら)と断定します。

海水4-5000トンで放水しているのは、核燃料の熱を冷やしているのではなく、爆発や水蒸気として噴出している放射線物質を洗い落とすことが目的で、その水はすべて海に流され環境汚染しているというのです(韓国では、海の汚染についての調査に入っていますー崔)。また海水を使うことによって、塩が無数に張り巡らされている配線やバブルに付着して大きなダメージを与えていると見ます。

次に、ここ数日、福島産の野菜、牛乳、それに東京都の水にまで放射能の影響があることが明らかにされていることの意味を解き明かします。レントゲンなどの放射線と放射線物質はその怖さが全く異なるのであり、植物汚染は原子炉から放出されている放射線物質が広がっている証拠であり、そこから始まる植物サイクルは特に子供たちに決定的な悪影響を与えることを彼は危惧します。

普通の川の水の汚染度を仮に1にすると、食物サイクルでそれを食べるプランクトン、魚、

水どり、そしてその鳥の卵になると放射能の汚染度は100万倍になるというのです。牛乳が汚染されているというのは、牛が植物や空気中から吸収した放射線物質がすべての栄養素を凝縮させたお乳に出るようになったということであり、それは子供にとっても同じく放射線物質が体内に蓄積されていくことになるというのが彼の主張です。

対内被曝と対外被曝と全くことなり、レントゲンの放射線量と比較してはいけないことがわかります。放射能に含まれるガンマ線は空中であれば紙でも遮ることが可能であっても、放射線物質として体内に入ると癌化を促進させる恐ろしいものになるそうです。

「正常」と「異常」は数値だけで判断できるものでなく(ここで血圧のことを取り上げ、「標準値」は医師が勝手に作ったもので人によって異なると、近藤誠を彷彿させる話をいれます)、特に子供の放射能の影響は4年後に甲状腺癌という形で現れることがチェルノブイリではっきりとしたので、子供には大きな注意を払うべきだと強調します。

TVでは外から帰ってきたら手と顔を洗い、衣服を着替えることを薦めていますが、広瀬によると、その洗い流された水はどうなるのか、地球規模で見れば、それは環境汚染であり、植物連鎖につながるという指摘はなるほどと納得させられます。

今後も彼の発言は注目すべきです。分かり次第、みなさんにご紹介します。

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